· 

渡仏一回目のはなし

 

今ちょっと新しい刺繍を考えていて

その延長でYouTubeで

aux Champs-Élysées」を見て懐かしく思い出していました。

 

少し長いですが思い出話を。

 

 

昔、この刺繍を国内の教室で習い始めて数か月。

この刺繍の魅力にどっぷりつかり、

楽しくて仕方なかったころ。

 

たまたま先生が

長く習っているほかの生徒さんに

「Parisの刺繍学校行ってみたら?最悪、ほんの少しのフランス語が話せたら行けるわよ」と

話しているのを小耳に。

 

ほんの少し?

なら私にも行ける?

語学、激しく苦手だけど行ける??

 

フランス語ってそもそもどんなん?

 

っと思い,

昼休憩でこの歌を聴いて、フランス語の難しさに撃沈。。

 

これは無理だ。。いや行けるかも? というか行きたい。でも無理かも。

 

の繰り返し。

あきらめきれずフランス語の学校に通い始めたのがそれからすぐのこと。

 

 

宿題も多いし、当時会社員だったので

膨大な宿題と、仕事の後の夜間3時間はさすがにしんどくて

これ。。なんか将来の役にたつのかな。。と心折れそうにになったことも何度もあり。

 

でも、そこで出会った人たちが面白すぎて、何とか頑張れた。

色々イベントやら、パーティやらがある学校で

年齢も、性別も、職業も何もかも違う人たちと乾杯するのがすごく楽しかったな。。

65歳で退職し、パリに住んでみたいからってフランス語を学んでいたご婦人。

そのあと私よりも早く、フランスに行っていたけど、元気かな。

 

そのご婦人

60歳で定年だったけど

フランスに行きたいがため5年退職を伸ばして働いて

今この学校に来たと言っていた。

 

年齢的に遅すぎると思っていた私に勇気をくれた人だった。会いたい。

 

年齢や環境なんて関係ないな。要は頑張る気持ちがあるかないか。

やらない、やれない言い訳するも

結局自分次第よね、と強く思うようになったのもこの頃。

 

自分がどれだけ頑張れたと思えるか、シンプルにそれだけで

自分の努力は自分にしかわからないし、自分だけわかってれば100点。

 

それと同じように

どんなに上手に言い訳してごまかしても

肝心な自分自身には見透かされちゃうのもよく思うこと。

 

 

 

なんだかんだみっちり二年勉強したけど

やはり全く上達せず

書いてあること、言っていることの2割程度が微妙にわかる程度の

激しく拙いフランス語を引っ提げて、初めて行ったフランスの刺繍学校。

 

 

なぜが恐ろしくお値段の高いオペラという観光名所のど真ん中にアパートを借り

電車で郊外の学校に通ったのだけど

 

100㎝の刺繍枠を抱えて

RERという列車の朝のパンパン山手線通勤ラッシュ状態の中ににタックルするように乗り

最寄りの駅から毎回20分程歩くという過酷な通学。

 

学校が閑静な住宅街のど真ん中にあったため

初日は、道に迷い半べそかきながらウロウロ。

そこで助けてくれた友人とは今でも連絡を取る大切な友人の一人。

 

その友人と最後にあったのは

去年3月のParis。

「日本、、コロナすごいよね」って話してたけど

それから一週間でヨーロッパが大変なことに。

気軽に会えなくなって悲しくてしかたないけど

いつかはまた会えるしね。楽しみにしてる。

 

 

初めてのフランスで無事レッスンを終えた帰りの便。

 

 

ストやらなんやらで

空港にいたのに乗せてもらえず

お金もないし

ドゴール空港で一晩過ごす覚悟でいたら

 

「女性がここで一人で過ごすのは危ない。女性同士集まった方がいい」という

空港の人のアドバイスのもと

 

同じくストの影響で飛べなくなった

ほんの少ししか英語が話せないメキシコ人と

ほんの少ししか英語が話せない日本人(私)と

ロンドン在住のイギリス人の

三人で

もうどうしようもないから

「のんじゃお!」ってことで

やっすい赤ワインを買いに行き

紙コップで乾杯。withポテチ。

 

旨し、おいし。

 

私の英語を、イギリス人が正しい英語に通訳して、メキシコ人に伝え

そのメキシコ人の英語を、イギリス人が正しい英語にして、私に通訳と

摩訶不思議な宴を夜な夜なつづけ。。

 

夜中の2時ごろだったかな。

「お金がないから、早めに空港にきて泊っているけど

楽しそうだからご一緒したい」と言ってきた見知らぬ日本人大学生とさらに飲む。ぺろぺろ。

イギリス人とメキシコ人は酔っぱらってつぶれ

若い大学生の夢を朝方まで聞いて、二日酔い。

 

何とか翌日の便に乗って フランス出国。

上海乗り換え便だったけど

上海でも ひともんちゃくあり

くたくたになって上海を離陸したときに少し泣けた。

 

よかった、本当に良かったと

安堵の涙をしているときに

 

隣の席のおじさんが

全く理解不能中国語で勢いよく話してきたけど

激しくはみ出た鼻毛が

気になりすぎて目を見れなかったことが

思い出の一部に刷り込まれていて忘れられないのがつらい。

 

人生で一番疲れた日だったけど

忘れられられない貴重な経験になった渡仏。

 

そこから毎年何度もフランスに行っていたけど

本当にいろいろな意味で忘れられない。

 

 

メキシコ人たちと飲んだ写真があったのだけど

どこかにいってしまい。悲しい。。

 

 

なかなか

自由に動けなくなった昨今。

次に動けるようになったら

何しよう?どう動こう!思い切り動きたい

と思うことが多い。

 

 

ただ、そう思っていても

環境の変化や状況によって

思い通りにならないこともたくさんある。

 

 

だから今できる範囲でできることを

自分自身の120%の力で行動しようと

日ごろから思ってます。

 

思うだけで全然できてないけどね。。

 

 

がんばる。

 

 

おしまい。